
楽天銀行では、個人口座を事業目的で使うことは規定で認められていません。
事業のお金を楽天銀行で動かすなら、個人口座とは別に「個人ビジネス口座」を開設します。
- 個人ビジネス口座は楽天銀行の個人口座を持つ18歳以上の個人事業主が、個人口座のログイン画面から申し込む
- 名義は「屋号+氏名」「氏名+屋号」「氏名のみ」から選べる。屋号だけの名義は不可
- 必要書類は開業届の控え・確定申告書第一表・許認可証などのいずれか1つ(コピーを郵送)。開業前は申し込めない
- 開設まで1〜2週間。口座維持手数料は0円だが、振込は楽天銀行宛52円・他行宛150〜229円、ATMは毎回220〜275円で個人口座より高い
- スマホからはログインできない(パソコン専用)、ハッピープログラム対象外、キャッシュカードは有料(1,100円)。ここを知ったうえで使う
この記事では、個人ビジネス口座でできること、個人口座との違いの比較表、開設できる人の条件と屋号のルール、必要書類、開設の流れと日数、手数料、知っておきたいデメリットまでまとめて解説します。
💼 楽天銀行の個人ビジネス口座とは?|個人口座を事業に使えない理由
個人ビジネス口座は、個人事業主が事業用に使うための楽天銀行の口座です。
楽天銀行の公式FAQには「個人口座は事業目的での利用がいただけません」と明記されていて、事業の入出金は個人ビジネス口座で行うのがルールになっています。
個人ビジネス口座で使える主な機能は次のとおりです。
- 屋号付きの口座名義にできる(取引先からの振込先として屋号を見せられる)
- 一括振込(1回の手続きで30件まで)と大量振込(総合振込)
- メルマネマスペイメント(相手のメールアドレスと名前だけで大量に送金)
- 楽天銀行かんたん決済サービス(ネットショップの決済に使える)
- ビジネスデビットカード(JCB)で経費の支払い。利用額の1%キャッシュバック
- 会計ソフトとのAPI連携(弥生など)で入出金明細を自動取り込み
「事業のお金と生活のお金を分けたい」だけでなく、「取引先への支払いをまとめて処理したい」「ネットショップの入金口座にしたい」という人向けの口座です。
⚖️ 個人口座との違い|手数料・ポイント・スマホ対応を比較
一番気になるのは「普通の楽天銀行口座と何が違うのか」だと思います。
結論から言うと、機能は増えるが、手数料と使い勝手は個人口座のほうが有利です。

| 個人口座 | 個人ビジネス口座 | |
|---|---|---|
| 名義 | 氏名のみ | 屋号+氏名/氏名+屋号/氏名のみ |
| 振込手数料(楽天銀行宛) | 0円 | 52円 |
| 振込手数料(他行宛) | 145円一律(無料回数あり) | 3万円未満150円/3万円以上229円(無料回数なし) |
| ATM手数料 | 220〜275円。3万円以上の入金は無料、ステージで最大月7回無料 | 220〜275円。無料条件なし |
| キャッシュカード | デビット付きが無料 | 発行1,100円(別途申込) |
| デビットカード | 年会費無料・1%ポイント還元 | JCBのみ・年会費1,100円・1%キャッシュバック・盗難補償なし |
| 普通預金金利 | 年0.40%(マネーブリッジで0.48%・最大0.74%) | 年0.40%(優遇なし) |
| ハッピープログラム | 対象(取引でポイント・無料回数) | 対象外 |
| スマホ・アプリ | アプリで全機能・スマホATMも可 | スマホからログイン不可(パソコン専用)。アプリはワンタイムパスワード表示のみ |
| 一括振込・かんたん決済 | なし | あり(一括30件・総合振込・メルマネマスペイメント・かんたん決済) |
個人口座の手数料や無料条件は、次の記事で解説しています。
👤 個人ビジネス口座を開設できる人|条件と屋号のルール
申し込めるのは、次の4つをすべて満たす人です。
- 楽天銀行の個人口座を持っている(持っていなければ先に個人口座を開設する)
- 申込時点で満18歳以上
- すでに個人で事業を営んでいる(証明書類を提出できる。開業前・準備中は不可)
- 楽天銀行所定の審査に通る
株式会社や合同会社などの法人、有限責任事業組合(LLP)は対象外で、法人は別の「法人ビジネス口座」になります。
屋号は「書類に書いてある屋号」しか登録できない
名義に屋号を入れられるのがこの口座の魅力ですが、ルールがあります。
- 名義の形式は「屋号+氏名」「氏名+屋号」「氏名のみ」の3つ。屋号だけの名義は作れない
- 登録できるのは提出した書類(開業届など)に記載された屋号だけ。書類と違う屋号を申請しても楽天銀行側で修正される
- 屋号を変えたいときは、口座開設後に別途変更手続きをする
開業届に屋号を書いていない人は、「氏名のみ」の名義になります。
屋号付きにしたいなら、先に税務署へ屋号を記載した開業届を出しておきましょう。
📄 必要書類|開業届の控えは「収受印なし」でも大丈夫?
事業を営んでいることを示す書類として、次のいずれか1つのコピーを郵送します。
- 個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)の控え
- 個人事業開始申告書(都道府県税事務所に出すもの)
- 確定申告書 第一表の控え
- 各種許認可証(飲食店営業許可など)
ここで多くの人がつまずくのが「控えに税務署の受領印(収受日付印)がない」問題です。
税務署は2025年1月から申告書等の控えに収受日付印を押さなくなったため、楽天銀行は次の対応を案内しています。
- 窓口・郵送で提出した人→「申請した開業届等のコピー」+「提出した税務署名と提出日を書いたメモ」を一緒に送る
- e-Taxで提出した人→開業届のコピーに加えて、メッセージボックスに届く「受信通知」(氏名・受付番号・20桁の番号・申請種目が載ったもの)を印刷して送る
- 書類の余白に登録番号を記入する。送った書類は返却されない
確定申告をすでに1回以上している人は、確定申告書第一表の控えを使うのが一番簡単です。
📝 個人ビジネス口座の開設の流れ|申込から利用開始まで1〜2週間
申し込みはパソコンで個人口座にログインしてから行います。
流れは次の5ステップです。

- 個人口座にログインして申し込む。画面右上の「商品・サービス一覧」→「個人ビジネス口座開設」から必要事項を入力。受付の連絡は個人口座の通知用メールアドレスに届く
- 返信用封筒が届く(3〜7日程度)。事業内容を確認する書類のコピーを入れて返送する
- 審査。問題がなければ「個人ビジネス口座承認のお知らせ」がメールで届き、2営業日後にセキュリティカードが発送される
- 個人口座で支店番号・口座番号・仮ログインパスワードを確認する(仮パスワードの有効期間は1年)
- 本開設の設定。ユーザID・ログインパスワード・暗証番号・ワンタイムキー用メールアドレス・合言葉を登録して利用開始
全体で1〜2週間程度が公式の目安です(郵便事情や申込状況で前後します)。
申込から180日以内に書類が届かないと申込は取り消しになるので、返信用封筒が届いたら早めに返送してください。
また、金融犯罪防止のために電話確認や追加書類の提出を求められることがあります。
個人口座の開設手順は、次の記事で3ステップにまとめています。
💴 個人ビジネス口座の手数料一覧|口座維持は0円、振込とATMは有料
手数料は「個人口座より高い」ことを先に知っておいてください。
| 項目 | 手数料(税込) |
|---|---|
| 口座維持手数料・導入費用 | 0円 |
| 振込(楽天銀行宛) | 52円 |
| 振込(他行宛・本人名義の他行口座宛) | 3万円未満150円/3万円以上229円 |
| 一括振込 | 1件ごとに上と同じ単価(1回30件まで) |
| かんたん振込(メルマネ) | 登録済みアドレス宛110円/未登録宛220円 |
| ATM入出金 | セブン銀行・イオン銀行・みずほ銀行など220円/ローソン銀行・イーネット・ゆうちょ銀行・三菱UFJ銀行など275円(無料回数なし) |
| キャッシュカード | 発行1,100円・再発行1,100円・年会費0円 |
| ビジネスデビットカード(JCB) | 発行無料・年会費1,100円・再発行1,100円 |
| 組戻し | 880円 |
| 残高証明書・取引履歴明細証明書 | 各524円 |
| ログインパスワード再発行 | Web 1,100円/電話 2,200円 |
普通預金金利は年0.40%で、個人口座のマネーブリッジ優遇(年0.48%)やボーナス金利は付きません。
とはいえ、口座を持っているだけなら費用はゼロで、他行宛229円はメガバンクの事業用口座と比べれば安い水準です。
「支払いは個人ビジネス口座から、現金の出し入れは個人口座で」と役割を分けると、ATM手数料を払わずに済みます。
⚠️ 個人ビジネス口座のデメリット|申し込む前に知っておく5つ
便利な口座ですが、個人口座の感覚で使うと戸惑う点があります。
- スマホからログインできない。公式FAQに「PC環境よりご利用ください」と明記されていて、残高確認も振込もパソコンが必要。「楽天銀行アプリ for Business」はワンタイムパスワードを表示するだけのアプリ
- ハッピープログラムの対象外。取引ごとのポイントも、ATM・振込の無料回数もない
- キャッシュカードは有料で別申込(1,100円)。スマホATMも使えないので、現金を扱うならカードが必須
- デビットカードは年会費1,100円で盗難補償なし。1%キャッシュバックはあるが、個人口座のデビットのような手厚さはない
- 開業前は作れない・審査がある。これから始める人は、開業届を出してからの申込になる
逆に言えば、「パソコンで経理作業をする」「支払いは振込やデビットが中心」「現金はほとんど扱わない」という事業スタイルなら、デメリットはほぼ気になりません。
🎯 個人ビジネス口座が向いている人・個人口座を工夫すれば足りる人
最後に、作るべきかどうかの判断基準です。
- 取引先に屋号付きの振込先を案内したい
- 外注費や仕入れの支払いが多く、一括振込で処理したい
- ネットショップを運営していて、かんたん決済や楽天市場の入金口座として使いたい
- 確定申告のために事業の入出金を完全に分けたい(会計ソフト連携で明細を自動取得)
一方で、「事業のお金を分けたいだけ」なら別の選択肢もあります。
楽天銀行は提携支店(第一生命支店やJRE BANKなど)に2つ目の個人口座を作れるので、生活費と貯金を分ける目的ならそちらで足ります。
ただし、個人口座を事業目的で使うことは規定上できないので、事業の売上や経費の口座として使うなら個人ビジネス口座を選んでください。
まだ楽天銀行の個人口座を持っていない方は、まず個人口座の開設から始めましょう。
💭 楽天銀行の個人ビジネス口座でよくある質問
書類を出せない準備段階では申し込めないので、先に開業届を提出してからになります。
「屋号+氏名」「氏名+屋号」「氏名のみ」の3つから選ぶ形で、屋号は提出書類に記載されたものに限られます。
返信用封筒の到着に3〜7日かかるので、届いたらすぐ書類を返送すると早く終わります。
個人ビジネス口座はスマートフォンからログインできず、パソコンからの利用になります。
「楽天銀行アプリ for Business」はワンタイムパスワードを表示するためのアプリです。
個人ビジネス口座はハッピープログラムの対象外なので、ビジネス口座での取引はポイントにも無料回数にもなりません。
事業の入出金は個人ビジネス口座で行い、個人口座は生活用に分けて使いましょう。
✅️ まとめ:屋号付き口座は「個人口座+書類1枚」で作れる。手数料の違いだけ理解して使い分ける
楽天銀行の個人ビジネス口座のポイントを整理します。
- 個人口座は事業に使えない。事業用は個人ビジネス口座(18歳以上・個人口座あり・事業を営んでいる・審査あり)
- 名義は屋号+氏名などの3形式。屋号は開業届など提出書類に書いたものだけ
- 必要書類は開業届・確定申告書第一表・許認可証のいずれか1つ。収受印なしの控えは税務署名と提出日のメモ(e-Taxは受信通知)を添える
- 開設は1〜2週間。維持費0円だが振込52円〜229円・ATM220〜275円は有料、ハッピープログラム対象外
- スマホからログインできないのが最大の注意点。支払いはビジネス口座、現金の出し入れは個人口座と役割を分ける
個人ビジネス口座は個人口座がないと申し込めないので、まだの方はここから始めてください。
個人口座を最大限おトクに使う条件は、次の記事にまとめています。




