
・預り金はあるのに「出金可能額 0円」で出金できない…
・覚えのない預り金が増えてるんだけど、大丈夫?
楽天証券の「預り金」は、証券口座の中にある現金のことです。株や投資信託を買う前のお金、売った後のお金、配当金や分配金が、この「現金置き場」に入ります。
ただし、預り金の金額と「出金可能額」は別ものです。売った直後のお金はまだ受け取り前で出金できず、逆にマネーブリッジを設定していると夜のうちに楽天銀行へ自動で移って預り金が減ります。
このズレを知らないと「お金が消えた」「出金できない」と慌てることになります。
この記事では、預り金・買付可能額・出金可能額の違い、出金可能額が0円になる理由、覚えのない預り金が増える原因、自動スイープの仕組みを、楽天証券と楽天銀行の公式案内をもとに整理しました。
- 預り金=証券口座の中の現金。銀行預金と違って利息はつかないが、分別管理と投資者保護基金(1人1,000万円まで)で守られる
- 出金可能額が0円になる主な理由は「受渡日がまだ」「自動スイープで楽天銀行に移った」「注文や保証金で拘束中」の3つ。お金が消えたわけではない
- 覚えのない預り金の正体は、配当金・分配金・貸株金利・積立の余りがほとんど
- 自動スイープは「買うときだけ不足分を入金、夜になったら余りを楽天銀行へ戻す」仕組み。証券口座に残す金額も設定できる
- 預り金を使わず置いておくなら、マネーブリッジで楽天銀行に戻すのが正解。普通預金金利が年0.38%(1,000万円以下)になり、預金保険の対象にもなる
楽天証券の預り金とは?口座の中の「現金置き場」
預り金は、楽天証券の総合口座に置いてある現金の残高です。銀行口座から入金したお金は、まず預り金になります。
株や投資信託を買うと預り金から代金が引かれ、売ると受渡日に売却代金が預り金に入ります。配当金や分配金も、証券口座で受け取る設定にしていれば預り金に入ります。
銀行の普通預金と似ていますが、次の点が違います。
| 項目 | 楽天証券の預り金 | 楽天銀行の普通預金 |
|---|---|---|
| 利息 | つかない(MRFは2017年11月に取扱終了) | つく。マネーブリッジ設定で年0.38%(1,000万円以下の部分・2026年2月改定) |
| 守られ方 | 分別管理(信託銀行に信託)+投資者保護基金で1人1,000万円まで | 預金保険制度で1人1,000万円と利息まで |
| 使い道 | 株・投資信託などの買付代金 | 振込・引き落とし・ATM |
| 引き出し | 出金指示か自動スイープで銀行口座へ | ATMや振込で即時 |
ポイントは預り金には利息が1円もつかないことです。使う予定のないお金を預り金のまま置いておくのは、金利面では損になります。
証券会社が万一破綻しても、預り金は会社の財産と分けて信託銀行に管理されているので返ってきます。それでも足りない場合に備えて、投資者保護基金が1人あたり1,000万円まで補償します。
預り金・買付可能額・出金可能額の違い
楽天証券の画面には、似た名前の金額が3つ並びます。「預り金はあるのに出金できない」の原因は、この3つの違いです。

| 名前 | 意味 | 含まれるもの・含まれないもの |
|---|---|---|
| 預り金 | 口座にある現金の残高 | 受渡が済んだ現金。受渡前の売却代金は含まない |
| 買付可能額 | いま買い注文に使える金額 | 預り金+受渡前の売却代金+(マネーブリッジなら)楽天銀行の残高。注文中の代金は差し引く |
| 出金可能額 | いま銀行口座に出せる金額 | 受渡が済んで、注文や保証金で拘束されていない現金だけ。3つの中で一番小さくなりやすい |
たとえば月曜に株を売ると、買付可能額はその日のうちに増えますが、預り金と出金可能額が増えるのは受渡日の水曜です。
「買えるのに出せない」時期が2営業日あるわけです。
覚えのない預り金が「増えてる」理由|入金した覚えがなくても正常です
「入金していないのに預り金が増えている」「積立しかしていないのに現金がある」という質問はとても多く、ほぼ次のどれかです。
- 配当金。株の配当を「証券口座で受け取る(株式数比例配分方式)」にしていると、配当が預り金に入る。国内株は権利確定日の2〜3か月後が目安
- 投資信託の分配金。分配金を「受取型」にしていると、決算日の数営業日後に預り金へ。再投資型なら現金にはならない
- 貸株金利。貸株サービスを使っていると、毎月中旬ごろに金利が預り金に入る
- 積立の余り。積立額を減らした、または一部の積立が約定しなかったときに、引落用に用意した現金が余って残る
- 売却代金や注文の取り消し分。売った代金は受渡日に預り金へ。マネーブリッジで自動入金された後に注文を取り消すと、そのお金は楽天銀行に戻らず預り金に留め置かれる
どれに当たるかは、「入出金・振替」→「入出金履歴」や「取引履歴」で確認できます。「配当金」「分配金」「貸株」などの名目が出ていれば正常です。
逆に預り金が減るのは、買付代金の受渡、売買手数料、特定口座での税金(利益の20.315%)、投信積立の引落、そして自動スイープでの楽天銀行への出金です。
出金可能額が0円・預り金より少ない理由5つ
「預り金はあるのに出金可能額が0円」のときは、お金が消えたのではなく一時的に出せない状態です。原因は次の5つのどれかです。
理由1:売った代金の受渡日がまだ来ていない
一番多い原因です。株や投資信託を売っても、代金を受け取れるのは「受渡日」です。それまでは出金可能額に入りません。
| 商品 | 受渡日の目安 |
|---|---|
| 国内株式 | 約定日の2営業日後(月曜に売れば水曜) |
| 投資信託 | ファンドごとに違う。多くは約定日の3〜5営業日後、海外資産のファンドは1週間以上かかるものもある(目論見書の「受渡日」欄で確認) |
| 米国株式 | 現地約定日の2営業日後 |
投資信託は「注文した日」と「約定日」もズレるので、売り注文から出金できるまで1週間前後かかるのが普通です。
理由2:自動スイープで楽天銀行に移っている
マネーブリッジの自動入出金(スイープ)を設定していると、毎営業日の夜に、証券口座の余った現金が楽天銀行へ自動で出金されます。
朝に見たら預り金が減って出金可能額が0円、というのはこれです。お金は楽天銀行の普通預金にあるので、楽天銀行のアプリで残高を確認してください。
理由3:買い注文や積立で拘束されている
まだ約定していない買い注文を出していると、その代金は「注文中」として拘束されます。指値注文を取り消せば、その分は出金可能額に戻ります。
投信積立も同じで、買付日の前営業日の朝3時ごろに、預り金から積立代金が引き落とされます。積立日の前後は、その分だけ出金可能額が減ります。
理由4:信用取引・先物の保証金になっている
信用取引の建玉があると、預り金の一部は保証金として拘束されます。保証金維持率が30%を下回っている、追証が未解消、といった場合も出金できません。
建玉を決済すれば、受渡日に保証金が解放されて出金可能額に戻ります。
理由5:FXや先物など別の口座区分にお金がある
楽天証券はFX口座・先物オプション口座など口座区分が分かれています。お金がそちらに入っていると、証券口座の出金可能額には出ません。「入出金・振替」→「振替」で証券口座に戻せば、即時に反映されます。
スマホ・アプリ:「口座管理」→「買付可能額(余力)」の画面で、出金可能額もあわせて確認できます。
自動スイープ(マネーブリッジの自動入出金)の仕組み
楽天銀行と楽天証券をつなぐ「マネーブリッジ」を申し込むと、自動入出金(スイープ)を設定できます。預り金の動きを理解するうえで、一番大事な機能です。

| 自動入金 | 自動出金 | |
|---|---|---|
| いつ | 買い注文を出した瞬間(0:05〜23:55) | 毎営業日の夜(楽天証券の案内では21時以降、楽天銀行のFAQでは22時ごろ) |
| いくら | 預り金で足りない差額だけ。上限・回数制限なし | 預り金の全額(「残す金額」を設定していればそれを超える分) |
| 対象 | 国内株・米国株(円貨決済)・投資信託・投信積立・債券・金プラチナなどの買い注文 | 受渡が済んだ現金。受渡前の売却代金・信用保証金・予約注文の拘束金は対象外 |
| 反映 | 即時 | 楽天銀行の残高に即時反映 |
つまり、普段は楽天銀行にお金を置いておき、買うときだけ必要な分が証券口座へ移り、夜には余りが銀行へ戻るという動きです。
証券口座には受渡前の売却代金だけが残るので、「朝見たら預り金が減っていた」は正常な動作です。
証券口座にお金を残したいときは「残す金額」を設定する
IPOの抽選資金や投信積立の引落分を証券口座に置いておきたい人は、自動出金時に「残す金額」を指定できます。逆に、楽天銀行側に引き落とし用のお金を残したいときは「自動入金時に残す金額」も指定できます。
- 楽天証券のPCサイトにログインし、右上の「マネーブリッジ」を押す
- 「自動入出金(スイープ)」の「設定する」(設定済みなら「変更する」)を押す
- 「自動出金時に残す金額」「自動入金時に残す金額」を入力する(不要なら空欄)
- 取引暗証番号を入れて「設定変更」を押す。自動入金は設定完了後から使える
解除したいときは同じ画面で「設定しない(解除する)」を選びます。なお、楽天銀行の登録情報を変えたり口座を解約したりすると、入出金エラーになってスイープ設定は自動で解除されます。
「自動スイープされない」ときのチェック
- まだ受渡日が来ていない。売却代金は受渡日の夜に初めて自動出金される
- 「残す金額」を設定している。その額までは証券口座に残る
- 設定が解除されている。楽天銀行側の情報変更や解約で自動解除される。マネーブリッジ画面で状態を確認
- まだ夜になっていない。自動出金は夜の1回だけ。日中は動かない
マネーブリッジ自体の申込方法や金利優遇の条件は、楽天銀行のマネーブリッジとは?の記事にまとめています。
預り金を楽天銀行へ出金する3つの方法
預り金を自分で銀行口座に移す方法は3つあります。詳しい手順は楽天証券の出金方法まとめで画面付きで解説しているので、ここでは違いだけ押さえてください。
| 方法 | 着金 | 手数料 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 自動スイープ | 毎営業日の夜に自動 | 無料 | 楽天銀行を持っている人全員。設定すれば操作いらず |
| らくらく出金 | 原則当日 | 無料 | 楽天銀行・みずほ銀行に今すぐ出したい人 |
| 通常出金 | 15時50分までの指示で翌営業日 | 無料 | 他の銀行(本人名義)に出したい人 |
どの方法でも、出せるのは「出金可能額」の範囲内です。預り金の全額を出したいのに足りないときは、上の「0円になる理由5つ」に戻って原因を確認してください。
預り金がマイナスになるのはなぜ?
まれに預り金がマイナス表示になることがあります。主な原因は2つです。
- 信用取引の保証金から一時的に振り替えられた。受渡日に預り金が足りないと、保証金から自動で振替が行われ、その過程で一時的にマイナス表示になる。保証金の範囲内なら自動で解消される
- 追証(おいしょう)が発生している。保証金維持率が下回ると、発生日の翌々営業日15時30分までに入金か建玉の決済が必要。放置すると建玉が強制決済される
信用取引をしていない人は、基本的に預り金がマイナスになることはありません。投信積立は、前営業日の朝3時ごろまでに預り金(マネーブリッジなら楽天銀行の残高)に代金がないと、その回の買付が行われないだけで、立て替えは発生しません。
預り金はどう扱うのが正解?おすすめの運用ルール
ここまでの内容をふまえると、預り金の扱いは次の3点に落ち着きます。
- 使わないお金は預り金に置かない。利息がつかないので、マネーブリッジで楽天銀行に戻して年0.38%の金利を受け取る
- 自動スイープを設定して「置きっぱなし」をなくす。買うときだけ自動で入金され、夜には戻るので、預り金を意識しなくてよくなる
- IPOや積立で証券口座に置いておく必要があるときだけ「残す金額」を使う。抽選日の入金忘れ対策にもなる
これから楽天証券の口座を作る人は、口座開設と同時に楽天銀行との連携(マネーブリッジ)まで済ませておくと、預り金で悩む場面がほぼなくなります。
入金方法ごとの違いは楽天証券の入金方法4つを比較の記事で解説しています。
楽天証券の預り金に関するよくある質問
まとめ:預り金は「現金置き場」、出金できないのは「受渡前かスイープ済み」がほとんど
- 預り金=証券口座の現金。利息はつかないが、分別管理+投資者保護基金(1,000万円)で守られる
- 買付可能額は受渡前の売却代金や楽天銀行残高も含むので、預り金や出金可能額より大きく見える
- 出金可能額0円の理由は、受渡前・スイープで楽天銀行へ・注文や保証金で拘束・別口座区分のどれか
- 覚えのない預り金は配当金・分配金・貸株金利・積立の余り。入出金履歴で名目を確認すればわかる
- 自動スイープは「買うとき不足分だけ入金、夜に余りを楽天銀行へ」。残す金額の設定で証券口座にも置ける
- 使わないお金はマネーブリッジで楽天銀行に。年0.38%の金利と預金保険がつく
楽天証券と楽天銀行の両方を持っている人は、マネーブリッジの設定だけで預り金の悩みがほぼ消えます。まだ楽天証券の口座がない方はこちらから。




